TX-2000系とは?
秋葉原~つくば間の全区間で活躍する交直流両用車です。開業時に6連16本が日立製作所笠戸工場で製造され、2008年度に4本、2012年度に3本が増備されました。基調色はスカーレットで車体表記に使われています。
3・4号車がセミクロスシートで、その他の車両はロングシートですが、2017年夏から計16編成でセミクロスシートのロングシート化改造が予定されています。編成定員は920名となっています。
全区間を走りますが、車両構造は通勤型でありレールヒーターやスノープローは付いていません。交流機器の関係で動力ユニットをばらせないため4M2Tとなっていますが、性能はTX-1000系と同等に抑えられています。
スカーレットの表記類
ちなみに新造時からのライバルであるJRE531系は290両で300億円弱なので、一般の車両より高価であることが分かります。
新造時は、号車表記、エンド表記、車内集合表記などが全てモノトーンでしたが、開業前に統一されました。
開業用新造車の標準デザイン。
2008年度新造車のデザイン。
衝突事故により2019年度に2両(2171、2271)が廃車となり、1編成(71F)が使用できない状況となっています。
3・4号車がセミクロスシートで、その他の車両はロングシートですが、2017年夏から計16編成でセミクロスシートのロングシート化改造が予定されています。編成定員は920名となっています。
全区間を走りますが、車両構造は通勤型でありレールヒーターやスノープローは付いていません。交流機器の関係で動力ユニットをばらせないため4M2Tとなっていますが、性能はTX-1000系と同等に抑えられています。
スカーレットの表記類


開業用新造車(51~66F)
2002年8月に川崎重工と日立製作所にTX-1000系と併せて303.6億円で一括発注され、2003年3月に量産先行車2編成が搬入されました。2004年から量産車の搬入も始まり、2005年1月までに6両×30編成=180両が新造されました。うち16編成がTX-2000系です。ちなみに新造時からのライバルであるJRE531系は290両で300億円弱なので、一般の車両より高価であることが分かります。
量産先行車(01F・51F)
現在の差異としては、車内に集合表記以外に車番プレートがある(01Fのみ)、乗務員室扉下部取っ手の向きが逆(量産車は上掴み式なのに対し下掴み式)、妻面貫通扉のガラス周りの処理が違う、車外鉛板が黒色(量産車は形式カラー)の4点が目に付きますが、新造時と比べてかなり統一されました。新造時は、号車表記、エンド表記、車内集合表記などが全てモノトーンでしたが、開業前に統一されました。
2008年度新造車(67~70F)
輸送力増強のため、2002年8月に日立製作所に39.3億円で発注され、2008年7月までにTX-2000系6両×4編成=24両が新造されました。変更点は多岐に渡っています。

室内変更点
- 腰掛の変更(Sバネ入りの柔らかいものへ)
- ドア付近の吊革の増設
- 優先席付近の吊革を黄色に変更
- 優先席付近・女性専用車の吊革の高さを5cm低く変更
- 優先席マークのデザイン変更
- 床の材質変更(脱塩ビ)に伴う床デザインの変更(2色トーン)
- ドア引き込まれ防止ゴムを硬いものに変更
- 冷房ルーバーの材質変更
外観変更点
- 腰部へのライン追加(赤太帯・白細帯)
- 側面TXエンブレム上部に赤細帯追加
- 前面に赤帯追加
- 前面ガラスの日よけ部分の拡大
2012年度新造車(71F~73F)
輸送力増強のため、日立製作所に33.0億円で発注され、2012年秋までにTX-2000系6両×3編成=18両が新造されました。衝突事故により2019年度に2両(2171、2271)が廃車となり、1編成(71F)が使用できない状況となっています。
変更点
- 車端部の側面窓を開閉可能なものに変更
- 室内灯をLED照明へ統一
- 腰掛の変更(Sバネ入りの柔らかいものへ)
編成表
←つくば 首都圏新都市鉄道TX-2000系 秋葉原→ | |||||||||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 予定 | 予定 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | ||||
> <
|
> <
|
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TX-2150 | TX-2250 | TX-2350 | TX-0000 |
TX-0000 |
TX-2450 | TX-2550 | TX-2650 | ||||
CT1 | M1 | M2 | T | T' | M1' | M2' | CT2 | ||||
座席形態 | ロング | ロング | クロス | -- | -- | クロス | ロング | ロング | |||
空車重量 | 30.3t | 38.1t | 34.4t | -- | -- | 38.3t | 34.3t | 30.9t | |||
乗車定員 | 147 | 158 | 155 | -- | -- | 155 | 158 | 147 | |||
着席定員 | 48 | 51 | 60 | -- | -- | 60 | 51 | 48 | |||
主要機器 | CP・BT | CI | CI・SIV | -- | -- | CI | CI・SIV | CP・BT | |||
備考 | 車イス | 弱冷房車 | -- | -- | 車イス | 製造工場 | 土浦到着日 | 特記 | |||
[51]2651F | 2151 | 2251 | 2351 | 2451 | 2551 | 2651 | 日立製作所 | 2003年03月20日 | |||
[52]2652F | 2152 | 2252 | 2352 | 2452 | 2552 | 2652 | 日立製作所 | 2004年01月12日 | |||
[53]2653F | 2153 | 2253 | 2353 | 2453 | 2553 | 2653 | 日立製作所 | 2004年01月12日 | |||
[54]2654F | 2154 | 2254 | 2354 | 2454 | 2554 | 2654 | 日立製作所 | 2004年02月16日 | |||
[55]2655F | 2155 | 2255 | 2355 | 2455 | 2555 | 2655 | 日立製作所 | 2004年02月16日 | |||
[56]2656F | 2156 | 2256 | 2356 | 2456 | 2556 | 2656 | 日立製作所 | 2004年03月06日 | (*1) | ||
[57]2657F | 2157 | 2257 | 2357 | 2457 | 2557 | 2657 | 日立製作所 | 2004年03月06日 | (*1) | ||
[58]2658F | 2158 | 2258 | 2358 | 2458 | 2558 | 2658 | 日立製作所 | 2004年04月19日 | |||
[59]2659F | 2159 | 2259 | 2359 | 2459 | 2559 | 2659 | 日立製作所 | 2004年04月19日 | |||
[60]2660F | 2160 | 2260 | 2360 | 2460 | 2560 | 2660 | 日立製作所 | 2004年05月24日 | |||
[61]2661F | 2161 | 2261 | 2361 | 2461 | 2561 | 2661 | 日立製作所 | 2004年05月24日 | |||
[62]2662F | 2162 | 2262 | 2362 | 2462 | 2562 | 2662 | 日立製作所 | 2004年06月14日 | |||
[63]2663F | 2163 | 2263 | 2363 | 2463 | 2563 | 2663 | 日立製作所 | 2004年07月05日 | |||
[64]2664F | 2164 | 2264 | 2364 | 2464 | 2564 | 2664 | 日立製作所 | 2004年07月05日 | |||
[65]2665F | 2165 | 2265 | 2365 | 2465 | 2565 | 2665 | 日立製作所 | 2004年07月26日 | |||
[66]2666F | 2166 | 2266 | 2366 | 2466 | 2566 | 2666 | 日立製作所 | 2004年07月26日 | (*2) | ||
[67]2667F | 2167 | 2267 | 2367 | 2467 | 2567 | 2667 | 日立製作所 | 2008年06月02日 | (*1)(*4) | ||
[68]2668F | 2168 | 2268 | 2368 | 2468 | 2568 | 2668 | 日立製作所 | 2008年06月02日 | (*1)(*5) | ||
[69]2669F | 2169 | 2269 | 2369 | 2469 | 2569 | 2669 | 日立製作所 | 2008年06月30日 | (*1) | ||
[70]2670F | 2170 | 2270 | 2370 | 2470 | 2570 | 2670 | 日立製作所 | 2008年06月30日 | (*1)(*2) | ||
[71]2671F | 2171 | 2271 | 2371 | 2471 | 2571 | 2671 | 日立製作所 | 2012年06月11日 | (*1)(*3) | ||
[72]2672F | 2172 | 2272 | 2372 | 2472 | 2572 | 2672 | 日立製作所 | 2012年07月30日 | (*1)(*3) | ||
[73]2673F | 2173 | 2273 | 2373 | 2473 | 2573 | 2673 | 日立製作所 | 2012年07月30日 | (*1)(*3) |
特記
編成背景色 - 量産先行車。編成背景色 - 2008年度新造車。
編成背景色 - 2012年度新造車。
(*1) - 前面ガラスに遮光シールが貼られている編成(増備車は新造時から)。
(*2) - ドア引き込み防止シールが太い編成。
(*3) - 車端部の側面窓が開閉可能な編成。
(*4) - 御召し予備仕様(連結器は灰色のまま)。2467のガラスは防弾ガラスに換装済。
(*5) - 御召し仕様(連結器が銀色)。2468のガラスは防弾ガラスに換装済。
主要諸元
走行可能設備 | 電気方式:直流1500V架空電車線方式 交流20000V(50Hz)架空電車線方式 軌間:1067mm |
---|---|
車両性能 |
加速度:0.83m/s2(3.0km/h/2) 最高運転速度:130km/h 常用減速度:1.17m/s2(4.2km/h/2) 非常減速度:1.39m/s2(5.0km/h/s) 勾配登坂性能:35‰連続登り勾配のR202カーブ上で、同一条件の別編成を0.3km/h/s以上で救援可能 |
主電動機 | EFO-K60型三相かご形誘導電動機 1時間定格:190kW 1100V 2310rpm 4台/両 日立製 |
台車 |
軸梁式ボルスタレス空気ばね台車(ヨーダンパ付き) 動力台車:KW167 付随台車:KW168 川重製 動力台車ブレーキ方式:ユニット式踏面片押しブレーキ方式 付随台車ブレーキ方式:1軸2ディスク+ユニット式踏面片押しブレーキ方式 |
制御装置 |
PWMコンバータ+VVVFインバータ制御装置 2レベルPWM制御 1C2M制御2群/両 応荷重装置と回生制動機能付き 日立製 |
駆動装置 | 中実軸平行カルダンTD(たわみ板)継手式 歯数比:98/15=6.53 |
ブレーキ装置 |
ATC装置連動電気指令式電空併用ブレーキ(回生ブレーキあり) 応荷重装置・電空演算装置・遅れ込め制御装置・滑走防止制御付き 保安・耐雪ブレーキ機能装備 |
集電装置 | PT7149-A型 シングルアーム式 空気式カギ外し装置付き バネ上昇・空気下降式 東洋電機製 |
補助電源装置 |
ダイレクトPWMインバータ装置(SIV) 180kVA 出力:3相AC440V 延長給電装置付き 東芝製 整流装置:DC100V 20kVA 蓄電池:焼結式ニッケルカドニウムアルカリ蓄電池 DC100V 80hA |
電動空気圧縮機 | SL22-24型スクリュー式圧縮機(除湿機能一体型) 交流モーター15kW 駆動率100% 1600リットル/分 |
空調設備 |
送風装置:8cm両軸式横流ファン(常務員室は8cm片軸式横流ファン) 冷房装置:屋根上集中型ユニットクーラ 48.8kW 5段階制御 全自動空調制御方式(除湿機能あり) 暖房装置:低圧シーズ線腰掛吊下げ型 750W (乗務員室は遠赤外線ヒータ&電子ファンヒータ) |
放送装置 |
車内放送:各車AVC付分散増幅式(自動放送機能付き) 車外放送:クーラー内蔵型スピーカー(自動放送機能付き) |
室内灯 |
客室灯兼予備灯:直流電源インバータ方式蛍光灯 先頭車:40W×22灯 中間車:40W×24灯 乗務員室灯:直流電源インバータ方式蛍光灯 20W×2灯 |
保安装置 |
ATC:車内信号(2現示)による高周波連続誘導式 緩和ブレーキ・前方予告・臨時速度制御機能付き ATO:車上制御方式 定速運転機能付き TASC(定位置停止装置)互換 |